沈黙の春
レイチェル・カーソン
今日は少し恐ろしいことを書きます。
自分が見聞きしたことですから情報に間違いや勘違いがあるかもしれませんが
事実だと思ってます。
出来たら
目をそむけずに読み進めてくれることを切に願います。
この記事に辿り着いてくれた方は
友人だと思うので・・・
この本は農薬などの化学薬品が環境に及ぼす恐ろしい影響を多くの学術研究結果などを元に発表した警告書です。
読み進めて行くうちに色んなことを思い出したり感じたりしましたが、一番心に突き刺さるように感じた事をまず書きます。
この本は1962年に刊行されました。
既に44年が経ってるにも拘らず、この本で警告してる事は解決されるどころか更に問題を複雑にし、更に危険な状態になっていることがとても恐ろしいです。
最近のニュースなのでご存知の方もおられるかもしれません。
スズメ大量死 旭川市で600羽 北海道が調査へ
原因不明のスズメ大量死 97%は腐敗状態で発見
ハト:公園で大量死 毒物食べた可能性 世田谷区・蘆花と港区・港南で40羽 /東京
秋田・大潟村でカラス89羽大量死
どの事例も原因がはっきりしたわけでは無いようですね。
先日偶然東京のハトのニュースをテレビで見ました。
既に死んでいるもの、死にかけて口から泡を吹き痙攣してるものなどの映像が生々しかったです。
それからこの本を読んだのですが、驚いたというより怖かったです。
この
テレビニュースの映像と全く同じような光景を描写してたからです。
これは何を意味するのでしょうか?
44年経った現在でもなんら問題は解決していないと言う事だと思います。
もうひとつ思い出したことを・・・
学生の頃長野県に住んでました、今から20年ほど前のことです。
お世話になってた方のご実家が農家で林檎も作ってみえました。
そこの奥さんが言ってたのは「林檎は絶対皮を剥いて食べなきゃだめよ!年々農薬も強くなってるからね・・・」
昨年害虫の駆除に効果的だった化学薬品が今年は効かない、更に強い農薬が開発されまた撒かれていくってことですね。(今はどうか知りませんが・・・)
この本は殺虫剤の恐ろしさと害虫を化学薬品で駆除しようとすることの無力さを繰り返し問うてます。
化学薬品は人間が人間の都合で駆除したい対象のみならず、益虫や土壌までも汚染します。
殲滅作戦ですよね。
でも耐性の高い害虫が更に耐性を高め、耐性の弱い益虫(ここで言う害虫の天敵)は死滅する。
時間が経てば一時期効果があるように見えても被害は以前にも増して拡大します。(事例が沢山紹介されてます)
そして汚染された土壌に住む昆虫を食べた鳥や小動物も数を減らして来てるのです。
鳥や小動物が平気でない物が何故人間には安全って言えるのでしょうか?
これらのことを読んで何が恐ろしいって言えば、
未だに同じようなことが繰り返されてるってことです。
恐らくこの書以外にも多くの警告が科学者から出されてきたと思われるのにです。
あまりにも現実を知らなさすぎるのでは無いでしょうか?
「知ったからって解決方法はあるの?」
そう言う声が聞こえて来そうですし、自分も少なからずそう言う思いはあります。
でも知らなければ何も解決方法を見出せないのも事実だと思うんです。
小さいことからでも気づいた者がコツコツとやりはじめなければいけないと思うんです。
そして
気付いた者は友人に教えなければいけないんだと思うんです。
だって友人ですから・・・
最近になってやっとこの様な記事を書く勇気が出てきました。
今までは勇気が無かったんです。
でも友人の事を想い、自分の子供たちのことを想い、地球のことを想えば書けますよね。
これも多くの友人から貰った勇気のおすそ分けのおかげです。
少しだけ成長出来た気がします。
この本の最終章は「べつの道」と言う章で締めくくられてます。
この章を読んで思い出したのが
夏子の酒って言うコミックです。
大分前に和久井映見さんが主演でドラマ化されましたね。
若い酒蔵の娘夏子が兄の意志を継ぎ、幻の酒米を復活させて兄の思い描いてきた酒を造っていく・・って言うお話です。
幻の酒米は古代米でもあるため、夏子は昔ながらの栽培方法:無農薬有機農法で育てたいと願うが、現代社会はそれを許してくれない。
しかし農薬散布で子どもに被害が出たことをきっかけに、村の人も少しづつ変わっていくところが描かれてます。
その一場面で農薬を使わず稲の害虫であるウンカを食べたり雑草を食べてくれる合鴨を田んぼに放しておくって言う農法が紹介されてます。
これはこの本に書かれてる昆虫学者の言葉に対するひとつの答えだと思います。
(長文ですが転載します)
〜ブリーイエ博士の言葉〜
《私たちが危険な道を進んでいることは疑うまでもなく明らかだ・・・私たちはほかの防除方法を目指して研究にはげまなければならない。科学的コントロールではなく、生物学的コントロールこそ、とるべき道であろう。暴力をふるうのではなく、細心の注意をもって自然のいとなみを望ましい方向に導くことこそ、私たちの目的でなければならない・・・・。
私たちは心をもっと高いところに向けるとともに、深い洞察力をもたなければならない。残念ながら、これをあわせもつ研究者は数少ない。生命とは、私たちの理解をこえる奇跡であり、それと格闘する羽目になっても、尊敬の念だけは失ってはならない・・・・生命をコントロールしようと殺虫剤のような武器に訴えるのは、まだ自然をよく知らないためだと言いたい。自然の力をうまく利用すれば、暴力などふるまうまでもない。必要なのは謙虚な心であり、科学者のうぬぼれの入る余地などは、ここにはないと言ってよい。》
この警告書が世に出てから44年、何も現実は変わっていないと書きましたが、少しづつですが解決策を見出そうという人が増えてきてます。
百匹目の猿と言う現象を考えるとその数がある臨界を超えると急速に広まるでしょう。
一日も早く超えられると良いなって思います。